錫盃 |
【取扱いの注意点】
- 直火にかけない。
- 火の間近、食器乾燥機、冷凍庫(氷点下状況下)で長時間放置しない。
- 洗浄後は水滴を拭きとり保管する。
溶解や変形、シミの原因となる場合があります。冷凍庫では急冷して使う程度では大丈夫です。
【手入れ方法】
錫器はガラス器と同様の手入れ方法となります。洗浄は、一般家庭でご使用の中性洗剤と柔らかいスポンジで力を入れずに軽く洗います。洗浄後に水滴が付いたまま乾燥させると水滴跡がシミになる場合がありますので、柔らかい布で拭き取ってから自然乾燥して下さい。
【簡単な磨き方】
メラミンフォーム |
このメラミンフォームは酸化皮膜まで落とすこと無く、汚れを効果的に取り除く事が出来ます。酸化皮膜を落とし製品完成時に近い状態に戻す「磨き直し」のご要望は工房までご連絡下さい。
※漆等で着色のしていない錫製品に限ります。
【保管時の注意点】
保管する際は、錫器同士を直接重ねると、擦れ傷による照りが発生することがありますので、間にクッションシートや軟らかい紙か布を挟まれることを強くお勧めします。
古色が出て使い込まれた錫器は直接重ね合わせても、ほぼ擦れ傷が目立つようなことはありません。
【古色の趣】
古色の錫製茶壷 |
【心得】
錫器に限らず、器、品物の拝見時の常識と礼儀です。
- 両手で持ち、あまり台(設置面)から離さない。
- 金属製の指輪やブレスレッド、時計は外して手に取る。
2.は、傷を付けないためと、1.同様の礼儀です。特にお茶や料理の席などでアクセサリーを外さず器を手に取るのは、無知と無礼を晒しています。私にはお洒落には見えません。
【工芸品とデザイン品】
最近は錫の新しい魅力を知ってもらうために、軟らかい特性を活かし、消費者が自由に製品を曲げ形を変えられるものがあります。ものによっては機能的で面白い製品もありますが、これによって、「錫は自由に形を変えられる。」と誤解されることは非常に残念です。実際に居ます。
特に工芸品、作家作品になると形は完成されており、その形を消費者が手を加えることは単に「壊し」ていることです。
形や色彩、機能美だけでなく、形あるものを大事に取扱う文化精神を受け継いできたのも我が国の工芸です。伝統工芸も現代工芸も、工芸とは歴史を受け継ぎ新しく発展するものです。
工芸品とデザイン品を境目なく、説明もなく販売する店や業社は、後々の影響までよく考えてもらいたいものです。
私の作品には第三者が手を加えて良い物は一つもありません。